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zoom RSS 【近代−70】 なぜ教科書本文にそっくりそのままの答えが書いてある「学習課題」を設定させるのか?

<<   作成日時 : 2016/11/26 21:22   >>

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 小学校の歴史学習の提案には,なぞだらけのものが多く見られる。

 ある雑誌に,「なぜ太平洋戦争で東南アジアに進出したのだろうか」という学習課題を設定させる指導例が掲載されている。

 小学校の歴史学習は,課題づくりの段階から疑問符がついてしまうものが多い。

 小学校の教科書には,「石油などの資源を求めて」と書いてある。

 もちろん第二次世界大戦でのヨーロッパの戦況や,援蔣ルートのことは書かれていない。

 「日本は東南アジアの方に植民地を広げようとした」という解釈が子どもから出てきた場合,これを修正させる手段も教師はもっていないのは困る。

 もちろん,小学生に,大東亜共栄圏や大東亜会議の意味や意義を教えろ,と言っているわけではない。



 まず,「太平洋戦争」という呼び方はだれがしていたのか,子どもは理解できるのだろうか。

 なぜ「大東亜戦争」という当時の日本政府の「正しい呼び方」を使わないのか,と責めているわけではない。

 空襲や原爆投下によって破壊された町の写真を見させるだけで終わると,

 「日本は東南アジアに石油を取りに行ったので,アメリカと戦争になり,懲らしめられてしまった」という歴史認識が生まれてしまわないか?

 そもそも,「太平洋戦争」と呼んでいるのであれば,地図を用いて,「なぜ日本の勢力範囲が大陸からはるかに離れた太平洋の島々に及んでいるのか」ということに子どもが疑問を持つのが自然だろう。

 なぜ無理矢理に東南アジアに目を向けさせるのかというと,「資源をとりに行った」という教科書の記述にある「結論」に到達させることがねらいだったとしか想像できない。


 アクティブ・ラーニングの事例を紹介してみる。

 もし,地図を用いるのであれば,1941年に始まった戦争で,日本はどこまで勢力を広げたと思うか?

 と聞いて,根拠も何もなくてよいから,白地図に線を引かせてみる。

 「それまでに勢力をもっていた地域も含む」という指示を出しておけば,日中戦争という「既習事項」が身についているかどうかを確認することもできる。

 4人班で見比べてみる。範囲が広い子,狭い子,様々いてよい。

 当然,東南アジアはもちろん,太平洋の島々に勢力が及んでいるなど想像できなかった子どもが多いはずである。

 

 ここで,実際の地図を配り,自分の白地図の上に重ね書きさせる。
 
 予想と違っていたのはどこか。

 東南アジア?

 太平洋の島?

 ここで最初の「疑問」が生まれるはずである。

 空襲の話が出るのなら,「どの島から爆撃機は飛び立ったのか?」と考えさせてもよい。

 「なぜ日本から遠く離れた島を守らなければならなかったのか」・・・この問いの方が,地図から考えさせるのであれば,より重要だろう。

 そして,島で戦っていた人々は,どういう亡くなり方をしたのか。

 それはなぜか・・・・。

 グループごとに,どれくらいの「なぜ」が続けられたかを競わせてもよい。

 答えが出て,そこで行き止まり,という学習にならないようにするよい機会になる。

 「なぜ」が立て続けに生まれる学習によって,「深い学び」に入る「準備」ができる。



 教科書を読んだら答えがわかりました。終わりました。

 という授業になってはならない。特に歴史は。
 
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